Which

困ったことになった

どちらかを選ぶことなんてできないあたしに選択を迫られている・・・

どうしたら・・・いいの・・・・？

「あのさ・・・あたしたち今まで通りじゃ駄目なの？」

心から思う言葉を紡ぐ

あたしを好きだといってくれてる二人にとっては

凄く酷い言葉に聞こえるかもしれない

それでも今の関係を壊すのだけは嫌だった

ふたりの気持ちを知った以上

今まで通りとはいかないかもしれないけど

それでも今まで通りに話したり遊んだりご飯食べたり・・・

そういう単純なことをこの先もしたいと思ったから

「僕は構わないよ？の傍にいられればそれでいいからね」

「俺も俺も！の傍にいられればどんなカタチだってOKだよん！」

二人の言葉に涙がでそうになった

同時にこんなにあたしを好きだといってくれているのに

ちゃんと応えられない自分が惨めに思った

「ありがとう・・・・今ね・・・凄くほっとしてる・・・」

零れそうな涙を俯いてふたりに見えないようにごまかす

だけどふたりには気づかれてしまっていた

「・・・・泣かないで？」

あたしの肩にそっと手を置いてぽんぽんと優しく叩いて励ましてくれる

「そうだよ！の泣き顔もかわいいけど俺らは笑顔が好きだんだよ？」

そういいながら頭をぐしゃぐしゃと少し乱暴なくらいにかき回してくる英二

「そうそう。あんまり泣いてると僕も英二も狼になってを襲っちゃうよ？」

「えっ・・・！？」

不二の言葉に慌てて顔をあげるとあたしのその行動に

ふたりが笑いを堪えている姿が目に入ってきた

「ちょっ・・・！何笑ってるのよ！！」

自分のお腹を抱えて蹲るふたりの背中を一発ずつ平手で殴ってやった

「いってぇ～！！」

大げさに痛がる英二

「っ・・・！ヤラレタ・・・」

わざとらしく床に倒れこんで死んだフリを決め込む不二

そんなふたりの様子にだんだん笑いがこみ上げてきた

こんな些細なことが凄く幸せ

あたしにはまだ恋だとか愛だとかそういうのは良くわかんない

もしかしたらこの先ふたりのうちのどっちかを好きになるかもしれない

もしからしたらふたり以外の誰かを好きになるかもしれない

だけどそれはいつのことかはわからないから・・・

だから今はこの関係のままずっと過ごしていたい・・・

それが今のあたしの気持ち

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